青汁の原料となる明日葉(あしたば)の効果・効能とは?
青汁に使われる野菜や植物には様々なものがありますが、中でもメインの原料になるものというのは、ある程度決まっています。
そんな青汁のメインの原料としてよく使われる植物の1つに、明日葉(あしたば)があります。
明日葉は、日本固有のセリ科の野草の1種で、『葉を摘み取っても明日には新しい芽が出る』ほど生命力が強いことから、その名前がつけられたとされています。
野菜として料理に使うことももちろんできますが、どちらかというと青汁の原料としての方が知名度は高いでしょう。それは、明日葉が非常に栄養豊富で様々な効果・効能が期待できる植物だからです。
明日葉の栄養成分や、その効果・効能について、ここでは詳しくご紹介していきたいと思います。
野菜の王様ケールにも勝る!?明日葉に含まれている栄養とは
まずは明日葉に含まれている主な栄養素を確認していきましょう。
ここでは、明日葉と同様に良く青汁に使われるケールを比較対象にしてみたいと思います。
成分 | 明日葉の含有量 | ケールの含有量 |
---|---|---|
カリウム | 540mg | 420mg |
カルシウム | 65mg | 220mg |
鉄 | 1.0mg | 0.8mg |
ビタミンA(βカロテン) | 5300μg | 2900μg |
ビタミンE(トコフェロールα) | 2.6mg | 2.4mg |
ビタミンK | 500μg | 210μg |
ビタミンB1 | 0.1mg | 0.06mg |
ビタミンB2 | 0.24mg | 0.15mg |
ビタミンC | 41mg | 81mg |
葉酸 | 100μg | 120mg |
食物繊維 | 5.6g | 3.7g |
※可食部100gあたり
出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂)
ここで確認しておいてほしいのは、ケールは『野菜の王様』とも呼ばれるほど栄養豊富な野菜であるということです。
そのケールと比べても、明日葉の栄養価はほとんど遜色ないどころか、カリウムやビタミンA、ビタミンK、そして食物繊維など、大幅に含有量が上回っている部分も少なからずあります。
独自成分にも注目!明日葉の効果・効能を一挙解説
明日葉には、上でご紹介した基本的なビタミン・ミネラル類のほかにも、様々な身体によい効能をもたらす成分が含まれています。
特に注目してほしいのが、カルコンと呼ばれる成分です。
明日葉の茎を切ると出てくる黄色い粘液に含まれる、明日葉独自の成分の名称。
ポリフェノールの1種でフラボノイドに分類される。
このカルコンには非常に多くの働きがあり、明日葉の効果・効能を語る際には欠かせない成分と言っても過言ではありません。
ここからは、カルコンを含めた明日葉の成分によってもたらされる、様々な効果・効能について解説していきましょう。
若々しく健康な体を保つ!抗酸化作用と抗菌作用
まず、カルコンの効能として挙げられるのが抗酸化作用です。
身体に取り込まれた酸素が、ストレスなどの要因で活性酸素となり、細胞などを酸化させてダメージを与えるのを防ぐ作用のこと。
細胞の酸化は、身体機能の低下やシミ・しわなどの老化を促進するなど、様々な悪影響をもたらす。
明日葉には、カルコン以外にもビタミンA・C・Eや、ポリフェノールの1種クマリンなど、抗酸化作用のある成分が多く含まれています。
そのため、生活習慣病などの重大疾患の予防や老化を防ぐアンチエイジングに効果があるのです。
また、カルコンやクマリンと言った明日葉に含まれるポリフェノールには、体内での細菌の増殖を防ぎ細菌を死滅させる抗菌効果もあります。
さらに免疫力を高める効果が期待できるビタミンA・C・Eも豊富に含まれているので、風邪などの日常的なちょっとした病気にもかかりにくくなるのです。
若々しく健康な身体を保つという点においては、明日葉は非常に有効な食材と言えます。
糖尿病の予防・改善にもカルコンが効く!
明日葉の成分には、ピンポイントで特定の疾患を予防・改善する力もあります。例えば、糖尿病の予防・改善も明日葉の効能の1つです。。
糖尿病の主な原因は、体内でホルモンの1種であるインスリンが正常に分泌されなくなったり、インスリンに身体が反応しにくくなることによって血糖値がコントロールできなくなってしまうことです。
明日葉に含まれるカルコンには、二重の意味で糖尿病を改善する効能があると言えるでしょう。
驚き!アルツハイマー型認知症も明日葉で予防・改善可能!?
もう1つ、明日葉が効果がある疾患としてぜひ知っておいてほしいのが、アルツハイマー型認知症です。
アルツハイマー型認知症というのは、特殊なたんぱく質によって脳の神経細胞が損傷し、機能低下してしまうことによって発症するものです。
一方、明日葉には、神経を成長させる因子の産生を促す働きがあるため、ダメージを受けた神経細胞の回復や維持に少なからず効果を発揮します。
アルツハイマー型認知症は脳神経の損傷が始まってすぐに発症するものではなく、神経がダメージを受けていくにつれて徐々に悪化していくことがほとんどです。
つまり、明日葉を日常的に摂取することは脳神経をダメージから守り、アルツハイマー型認知症の発症を予防させたり、進行を遅らせることにつながるのです。
貧血予防に便秘改善…まだまだある!明日葉の健康効果
明日葉には、他にも多くの健康に良い成分が含まれており、様々な効果が期待できます。
例えば、明日葉には血液をつくるために必要な鉄分や葉酸、そして造血を促すビタミンB1・B2が多く含まれているので、貧血の予防・改善につながります。
また、骨の形成を促すBMP-2という物質の生産を促すたんぱく質も含まれています。なおかつ、カルシウムが骨に定着するのを促すビタミンKの含有量も多いので、骨を丈夫にして骨粗しょう症などの疾患を予防するのにも役立つのです。
食物繊維も他の野菜と比べてもかなり多いので、便秘の予防・改善に有効であることも間違いありません。
痩せたい人に朗報!明日葉がダイエットにいい2つの理由
明日葉には、ここまでご紹介した効能以外にも、とても魅力的な効能があります。実はダイエットをしたいという人にも明日葉はとても効果的な食材なのです。
明日葉がダイエットに効果があると言える理由は、大きく分けて2つあります。
- 身体の水分代謝を良くしてむくみを解消する作用がある
- 脂肪燃焼を促進しメタボリックシンドロームを予防・改善する作用がある
この2つの作用には、なんといずれも明日葉の独自成分であるカルコンが少なからず関わっているのです。
以下にそれぞれの作用について詳しくご説明しましょう。
水分代謝を高める!むくみに効く明日葉の成分とは
まず、カルコンには血管を広げ、血流を良くする作用があります。血流が良くなると体全体の水分代謝が上がり、それに伴って体内の老廃物が蓄積されにくくなるのです。
さらにカルコンには利尿作用もあるので、血流やリンパ液に乗って流されてきた老廃物をスムーズに体外に排出することができます。明日葉には他にも、カリウムやクマリン、そしてルテリオンと言った利尿作用のある成分が多く含まれています。
結果として、明日葉を摂取することでむくみの原因となる老廃物の蓄積が抑えられ、太って見えたり実際に体重が増えるといったむくみによるトラブルを解消することが可能になるのです。
どんどん痩せやすくなる!明日葉の脂肪燃焼効果
もう1つ、カルコンには脂肪を貯めこむ脂肪細胞と呼ばれる細胞に直接働きかけ、内臓脂肪の燃焼を促進させる作用もあります。
脂肪細胞から分泌されるアディポネクチンというホルモンがあるのですが、これは脂肪の燃焼を助けることから別名『抗メタボリックシンドロームホルモン』とも呼ばれています。つまり、脂肪細胞からは脂肪を燃焼させるホルモンが分泌されているのです。
ところが、脂肪細胞が内臓脂肪を貯めこみすぎて肥大化してしまうと、このアディポネクチンの分泌は減ってしまいます。要するに、太れば太るほど、痩せるためのホルモンが出にくくなるという悪循環に陥ってしまうのです。
以上のことから、明日葉を摂取することによって、太りにくく痩せやすい身体をつくることができると言っても過言ではないでしょう。
実際に、動物実験でも明日葉の成分であるカルコンに抗肥満作用があることは証明されています。
内臓脂肪の蓄積によるメタボリックシンドロームを予防することは、血中のコレステロール値の上昇によって脳梗塞などの要因となる動脈硬化が進行するのを防ぐことにもつながるので、健康面でも非常に大きなメリットがあります。
独自成分カルコンがすごい!青汁で毎日明日葉を摂取しよう
抗酸化作用からダイエットまで幅広い効能がある明日葉を、ぜひ生活の中に取り入れてみてほしいと思います。
とはいえ、明日葉は入手しやすい野菜とは言えません。例えば近所のスーパーなどで見かける機会というのはなかなかないですよね。
そこで明日葉を摂取する手段としておすすめなのが、やはり青汁です。青汁なら、明日葉をメインの原料としたものはすぐに見つけることができます。
様々な健康効果のある明日葉を、ぜひ青汁で手軽に毎日の食生活に取り入れてみてはいかがでしょうか?