青汁に含まれるクロロフィルとは?効果・効能と摂取方法について紹介
青汁には身体によいとされる様々な成分が含まれています。その中でも、ほとんどすべての青汁に多かれ少なかれ含まれているのがクロロフィルという成分です。
ただ、ビタミンCなどのような馴染みのある成分と比べると、クロロフィルと聞いてもピンとこない、どんな効果があるのかよくわからない…という人も多いのではないでしょうか?
そこでここでは、青汁に含まれるクロロフィルについて、その効果・効能や効率的な摂取方法など、気になる実態を詳しく解説していきたいと思います。
植物の緑色のもと!クロロフィル=葉緑素だった!?
まず始めに、クロロフィルとはどのような成分なのかということからご説明していきましょう。
植物や藻類に含まれる緑色の天然色素成分のこと。葉緑素とも呼ばれる。
植物の細胞内で、光や水、二酸化炭素から養分を生成する光合成をおこなうために不可欠な成分。
葉緑素という言葉は、小学校の理科の時間などに聞き覚えがあるという人もいるかもしれません。植物が生きていくためのエネルギーをつくるという重要な役割を担う、必要不可欠な成分です。
この葉緑素のことを、成分としてはクロロフィルとも呼ぶのです。
健康だけじゃなく美容にも!?クロロフィルの4つの効能とは
植物にとっては生きていくために欠かせない成分であるクロロフィルですが、人が摂取するとどのような効果があるのでしょうか?
実はクロロフィルは、人体においても様々な有効作用をもたらす、非常に魅力的な成分です。その働きは、健康面にとどまらず、美容にも少なからず効果を発揮します。
クロロフィルの主な効能は、以下の4つです。
- 貧血予防効果
- デトックス効果
- 抗酸化作用
- 血管内のコレステロール吸着作用
以下にそれぞれの効能について、詳しく解説していきましょう。
別名『緑の血液』!クロロフィルで貧血予防が可能な理由
クロロフィルの構造を詳しく見てみると、人間の赤血球に含まれる成分であるヘモグロビンの中のヘムという赤い色素成分と非常によく似ています。
さらにクロロフィルには、体内で血液や酸素の循環を助ける有機ゲルマニウムという成分も含まれています。
こうした理由から、クロロフィルは貧血の予防・改善に役立つとされているのです。
いらないものは吸着・排出!クロロフィルのデトックス効果
クロロフィルには、人体にとって不要なものを排出するデトックス効果があるのですが、その作用は細かく2つにわけることができます。
まず、クロロフィルには人体に有害な物質を吸着して排出するのを助ける作用があります。
吸着・排出が可能なのは主に以下の3つの物質です。
- ダイオキシン
- カドミウム
- 鉛
いずれも、食品などを介して人体に取り込まれる可能性のある成分ですが、人間の消化機能では分解することができないうえに、蓄積していくと健康被害などをもたらすことがあります。
クロロフィルはそうした有害物質を身体の外に追い出す作用を持つ貴重な成分なのです。
また、クロロフィルには胃腸の中に付着した老廃物を吸着して体外に排出するという作用もあります。体内にたまった老廃物は健康や美容の妨げとなるということは、ご存知の方も多いですよね。
このようにクロロフィルには、有害物質と老廃物という2つの人体に不要なものを身体の外に排出する、高いデトックス効果があるのです。
がん予防にアンチエイジング…いいことづくめの抗酸化作用
クロロフィルには、植物を酸化によるストレスから守るための強力な抗酸化作用が備わっています。この抗酸化作用は人体に取り込まれても効果を発揮するのです。
体内に取り込まれた酸素のうち、エネルギーをつくるために使われなかった分が活性酸素となって、体内の細胞などを酸化させ機能低下を起こすことを防ぐ作用のこと。
体内の酸化が進むと、がんや生活習慣病などの疾患や、シミ・しわなどの老化現象の原因となる。
人間にも植物にも共通して言えることですが、酸化は良くない影響をもたらします。イメージとしては、鉄が酸化してさび付くのと同じで、細胞が酸化すると質が落ちて十分に機能しなくなってしまうのです。
クロロフィルのような抗酸化作用のある成分を身体に取り込むことで、こうした酸化による人体機能の劣化を防ぐことができます。
結果として、がんや生活習慣病などの重大な疾患を予防する効果や、老化を防ぐアンチエイジング効果が見込めるのです。
動脈硬化予防に効果あり!血管内のコレステロール吸着作用
クロロフィルには、血管内の余分なコレステロールを吸着して体外に排出するという作用もあります。
血管内にコレステロールが溜まってコレステロール値が上がってくると、血管が固く狭くなり、血液は流れにくくなってしまいます。
クロロフィルを摂取することで、そのコレステロール値の上昇が抑えられ、血管内をきれいで血液が流れやすい状態に保つことができるのです。
こうして血管内の状態が良好に保たれていると、心筋梗塞や脳梗塞と言った命に関わる疾患を引き起こす原因となる動脈硬化を予防することができます。
緑色の野菜ほど含有量多し!クロロフィルが含まれている食品とは
クロロフィルの効果がわかったところで、気になるのはどんな食品に多く含まれているのかということですよね。
クロロフィルの含有量が多い食品として、代表的なものをいくつか挙げておきましょう。
- 明日葉
- クロレラ
- ホウレンソウ
- 小松菜
- 緑茶
- 海藻類
いずれも植物全体の中でも葉の部分を主に食するものばかりですね。他にも、緑色の濃い葉物野菜はたいていクロロフィルが多く含まれていると考えてよいでしょう。
青汁がベスト!?クロロフィルを効率よく摂取する方法
クロロフィルを摂取する際には、その取り入れ方に少し注意が必要です。
クロロフィルという成分は、基本的には身体に取り込んだときに栄養として吸収されやすいようにはできていません。
その理由は、大きく分けて2つあります。
- 強固な細胞壁に囲まれている
- 加熱によって変質する特性がある
まず、クロロフィルは固い細胞壁に囲まれた細胞の中にある成分です。植物の細胞壁は意外と強固で、口の中で普通に咀嚼した程度では壊れないうえに、胃液でも消化分解することができません。
結果として、せっかく摂取したはずのクロロフィルが、身体に吸収されずにほとんどそのまま出て行ってしまうということになるのです。
さらに、クロロフィルには、加熱しすぎると酸化して構造が壊れ変質してしまうという特性があります。
変質すると、フェオフィチンという褐色の色素になるので、見た目にも明らかにわかります。そうなってしまうと、クロロフィルとしての効能を十分に得ることはできません。
つまり、クロロフィルを効率よく摂取してその効能を正しく得るためには、口に入れる前の段階で細胞壁が壊れるほど細かい状態にすることと、加熱しすぎないことが必要条件となります。
そこでおすすめなのが青汁なのです。
青汁はたいていの場合、製造段階で原料を細かい粉末状にしています。したがって、細胞壁を壊すという第一段階はほとんどすべてのものがクリアしていると言ってよいでしょう。
ただし青汁の中には、加熱処理と言って原料を加熱して製造しているものと、ほとんど加熱しない非加熱処理のものがあります。クロロフィルを摂取するという目的で青汁を飲むのであれば、非加熱処理の物を選んだ方が良いでしょう。
なお、クロロフィルが多く含まれているかどうかは、見た目でもある程度判別することができます。繰り返しになりますが、クロロフィルは緑色の色素ですから、緑色の濃いものほどクロロフィルがそのままの状態で多く含まれていると判断することができるのです。
逆に緑色が浅い、色があせた感じがするものは、クロロフィルの含有量が少なかったり、過熱などによって変質してしまっている可能性が高いと言えるでしょう。
過剰摂取には要注意!クロロフィルの1日の摂取量の目安
クロロフィルは、食品から摂取する分には摂取量の上限というのは特に決められていない成分です。
ただし青汁やサプリメントなどの形で吸収力を通常より高めた状態でクロロフィルを摂取する場合には、やはり摂りすぎには注意すべきです。
クロロフィルに限らず、特定の栄養を偏って多く摂りすぎると、胃腸や肝臓などに負担がかかります。基本的には、青汁にせよサプリメントにせよ、推奨される目安量を守って取り入れることをおすすめします。
クロロフィルでアレルギーはあり得る!異常が出たらすぐ病院へ
クロロフィルには、現段階では明らかな副作用と言える症状はほぼ起きないとされています。
ただしごくまれにですが、クロロフィルを摂取したことでアレルギー反応を引き起こすリスクがあることは知っておいた方がよいでしょう。
クロロフィルによるアレルギー症状としては、主に以下のようなものがあります。
- 口腔内症状
- 日光に当たった部分の皮膚症状
- 呼吸困難
特徴的なのは、日光に当たることによって皮膚症状が出るという点です。これは、光合成に関わるクロロフィルならではの特性と言えます。
もしクロロフィルを含む野菜や食品、あるいは青汁などを摂取して上記のような体の異常を感じた場合は、すぐに摂取をやめ医療機関を受診するようにしてください。
人体にも効果大!植物の生きる力《クロロフィル》を青汁で
健康に良いだけでなく、アンチエイジングやデトックスと言った美容効果もあるので、幅広い人におすすめです。
植物の生きる力、そして植物の緑色そのものであるクロロフィルを効率よく摂取できる青汁を、ぜひ始めてみてはいかがでしょうか?