冷凍青汁を選ぶメリット・デメリットとは?粉末とは違う効果と飲み方
不足しがちな野菜の栄養を摂取するための補助食品として人気が高い青汁ですが、利用者のニーズに合わせて冷凍タイプや粉末タイプ、さらには錠剤タイプなど様々なタイプがあるということはご存知でしょうか?
青汁は、原料の種類によって栄養価や風味が変わるのはもちろんですが。実はこのタイプによっても少なからず違いがでてきます。
ここではその中でも、青汁を液体のまま冷凍した冷凍タイプに注目して、その製法や飲み方、粉末タイプなどの他の形態と比べた時のメリット・デメリットなどについて詳しく解説していきたいと思います。
冷凍によって栄養は失われない?気になる冷凍青汁の効果とは
冷凍タイプの青汁は、基本的に原料の搾り汁をそのまま冷凍する形で製造されます。搾り汁や原料を粉末やゼリー、錠剤などに加工する他のタイプの商品と比べると、最も手が加えられていない素のままに近い形態と言えるでしょう。
ただ、一度冷凍することによって栄養が失われてしまうということがないのか?ということが気になる人もいるかもしれません。
結論から言えば、冷凍することで青汁の栄養成分が失われたり、壊れたりするということは基本的にありません。
青汁の原料に含まれる成分の中でも、熱に弱い成分というのはビタミンB1やビタミンC、酵素などいくつかありますが、一方で低温にはどの成分も比較的強く、冷凍によって損なわれるリスクは非常に低いのです。
したがって、冷凍タイプの青汁では原料の栄養をほぼ完全な形で摂取できると言えます。
とにかく鮮度重視!主な冷凍青汁の製法を紹介
では、冷凍タイプの青汁はどのように製造されているのでしょうか?
製造方法は会社によって様々で、独自の製法を取り入れているところも多いですが、その中でも代表的な製造方法を2つご紹介しましょう。
原料を搾る段階から外気をシャットダウンし、低酸素状態にすることで酸化によって鮮度が落ちるのを防ぐ製法。
搾った青汁はそのままパックに充填し、急速冷凍する。
抗酸化機能のある特殊な冷凍装置で急速冷凍することで、酸化によって鮮度が落ちるのを防ぐ製法。
冷凍時の温度はマイナス20℃~マイナス40℃ほどと会社によって異なりますが、いずれにしても一刻も早く酸化による影響のない冷凍状態にするため、低温で急速冷凍するのが基本です。
解凍の仕方に要注意!?正しい冷凍青汁の飲み方
冷凍青汁は必ず解凍して液体状にして飲むことになります。そこで注意してほしいのが、解凍方法です。
冷凍タイプの青汁は、以下の3つのうちいずれかの方法で解凍することになっています。
- 冷蔵庫での自然解凍
- 流水・溜めた水などでの水中解凍
- 電子レンジでの解凍
特に下の2つの方法で気をつけなければいけないのが、加熱しすぎないということです。
急いでいるときなどは、つい早く解凍するために水ではなく熱湯につけてしまったり、長くレンジにかけてしまいがちですが、あまり加熱しすぎると、パッケージが変形したり、熱によって成分が損なわれ品質が変わってしまうリスクがあります。
水中解凍の水温やレンジでの加熱時間にはくれぐれも注意するようにしてください。
なお、商品によっては、レンジ解凍に対応していないなど、解凍方法の指定がある場合もあります。必ず最初に商品の説明をよく読んでから、解凍方法を決めるようにしてください。
冷凍青汁をもっとおいしく飲みたい!おすすめアレンジレシピ
冷凍タイプの青汁は、最も素の状態に近い青汁と言えます。そのため、他のタイプと比べてどうしても野菜本来の味である青臭さや苦みなどが強く感じられるものがほとんどです。
特に青汁に使われている野菜には、ケールのような栄養豊富な分、独特の風味が強いものも少なくありません。あまり野菜が得意でない人や小さなお子様には、そのままでは飲みにくく感じられる可能性が高いでしょう。
そこで冷凍タイプの青汁を少しでもおいしく飲むためにぜひやってみてほしいのが、ストレートではなく他の飲み物やフルーツなどで割って飲むという方法です。
特にミキサーを使って他の材料と混ぜてグリーンスムージーのようにすると、ほとんど青汁っぽさを感じることなくおいしく飲むことができるようになります。おすすめのレシピを1つご紹介しましょう。
青汁…1回分(目安100㏄)
バナナ…1本
豆乳…80㏄
●作り方●
すべての材料をミキサーにかけて十分に混ぜる
このレシピなら、バナナや豆乳のまろやかさが青汁の苦みをうまく打ち消してくれるので、野菜が苦手な人でも比較的抵抗なく飲むことができます。
この他にも、リンゴやレモンなどの他のフルーツや、はちみつ、ヨーグルトなどの食材も青臭さや苦みを和らげてくれるのでおすすめです。しかも、こうして他の食材をプラスすることで、栄養面でもより効果を高めることができます。
いろいろ試して自分に合った組み合わせを探してみるのも楽しいかもしれません。
やっぱり栄養効果は断トツ!?冷凍青汁のメリット
冷凍タイプの青汁の最大のメリットは、なんといっても原料の栄養がほとんど損なわれることなく、そのまま摂取できるという点です。
例えば、加熱処理がされることは基本的にないので、ビタミンCや酵素などの熱に弱い成分も保持されています。
特に酵素は、体内に入って他の栄養成分の吸収効率を高める働きをする重要な成分です。生きた酵素が含まれているかどうかで、青汁の栄養効果は少なからず変わってくるのです。
また、食物繊維には水溶性と不溶性の2種類があるのですが、その中でも水溶性の食物繊維に関しては、乾燥して水分を飛ばした状態の粉末タイプよりも液体そのままの冷凍タイプの方が確実に多く残っています。
ただし粉末タイプや錠剤タイプなどの他のタイプが、冷凍タイプに比べて栄養価が低いかというと、必ずしもそういうわけではありません。
やはり、青汁は栄養第一という考え方は、作り手にとっても共通認識です。したがって、多くの粉末や錠剤の青汁は、栄養成分の損失が最低限で抑えられるように高温での加熱処理を行わないなど、製法に工夫がこらされています。
また、搾り汁をほぼそのまま冷凍する冷凍タイプの青汁と比べて、商品になるまでの加工過程が多い他のタイプでは、乳酸菌や緑茶のカテキンなど、原料に含まれるもの以外の有効成分を加えるということも可能です。
メーカーによっては同じ原料を使った青汁でも、冷凍タイプと粉末など他のタイプが選べることがありますがその場合は、一度栄養成分表示を確認してみることをおすすめします。
もう1つ、冷凍タイプならではの特徴として、原料の質にこだわった商品が多いということが挙げられます。
冷凍青汁は生の原料をそのまま搾ったものがほとんど品質を調整されることなく利用者の手元にそのまま届くことになるので、原料の質や鮮度によって少なからず味わいなどが変わってきます。
そのため、指定の農場があったり、無農薬の有機野菜のみを使用していたりと、原料にかなりこだわった安心感の高い商品が他のタイプと比べて多い傾向があるのです。
ただし同じメーカーの商品であれば、どのタイプにも同じ原料を使用していることがほとんどなので、あまり気にしすぎる必要はないでしょう。
利便性と味はやや劣る…冷凍青汁の3つのデメリット
冷凍タイプの青汁には、他のタイプと比べた時にデメリットと言える点もあります。主な冷凍青汁のデメリットは、以下の3つです。
- 保管に場所をとる
- 利便性が低い
- 青汁特有の風味が最も強い
以下に、それぞれについて詳しく解説していきましょう。
冷凍庫の容量、大丈夫?冷凍青汁の保管は要注意
まず、冷凍タイプの青汁は液体を凍らせた状態で手元に届くことになるので、粉末や錠剤などの加工されたものに比べて、元の液体から容量が減らない分、場所をとることになります。しかも、当然ですが必ず冷凍保存しなければなりません。
メーカーによって異なりますが、冷凍青汁の購入単位の相場はだいたい平均して100㏄×30袋前後くらいとなっています。つまり、液体のみでも3リットルほどはあるということになるのです
そこに梱包も含めると、標準の購入単位で少なくとも2リットルペットボトル2本分くらいは冷凍庫内に場所が必要になると考えた方がよいでしょう。
では冷凍庫が小さい家では一度の購入量を少なめにすればよいのかと言えば、一概にそうとも言えません。青汁というのは、基本的に毎日の継続摂取を推奨されるものです。購入単位を小さくすれば、あっという間になくなってしまうでしょう。
また、通販での購入がメインになるので、頻繁に注文するとなると面倒ですし、宅配を受け取ったりする手間も気になります。
やはり冷凍青汁を選ぶのであれば、ある程度の冷凍庫の余裕は確保しておくべきと言えます。
飲みたい時に飲めない!?冷凍青汁ならではの不便さとは
冷凍青汁は利便性という点では他のタイプに明らかに劣ってしまいます。
まず、飲むたびに解凍が必要というだけで、面倒くさがりな人には億劫に感じられてしまうでしょう。しかも解凍後あまり時間を置きすぎると鮮度が落ちて風味や品質に影響するので、余分に解凍しておくということも基本的にはできません。
かといって、一度解凍したものを再冷凍して保管しておくということも、品質が落ちることにつながるため望ましくないのです。
また、持ち運びにも冷凍タイプの青汁は向いていません。会社に置いておいてドリンク代わりに飲んだり、旅行先に持っていくことは難しいでしょう。
もう1つ、粉末タイプなどと比べると賞味期限が短めなのも冷凍青汁の不便なところです。原料の搾り汁を生のまま使用しているという性質上、仕方のないことではありますが、冷凍のままでもだいたい3か月から長くても6カ月程度しか保存することができません。
保管に場所をとることと併せて考えると、あまり大量に買い置きをすることはできないのです。
野菜嫌いにはツライ…原料本来の味が最も強いのは冷凍青汁
実際に飲んでみた時、冷凍タイプの青汁と粉末やゼリーなどの他のタイプの青汁で、最も大きな違いを感じるのはその味です。
粉末タイプなどは、加工時に味もある程度調整されており、野菜があまり得意でない人やお子様でも比較的抵抗なく飲めるものも少なからずあります。
一方、冷凍タイプの青汁は上でも少し触れたとおり、製造過程でほとんど味の調整が行われていないため、原料本来の味わいである青臭さや苦み、えぐみなどがそのまま残ってしまうのです。
これは決して悪いことではないのですが、やはり青汁に慣れていない人や野菜に対して苦手意識がある人にとっては、かなり高いハードルとなってしまうでしょう。人によっては、味が原因で青汁を飲むのをやめてしまうこともあるかもしれません。
青汁らしさを求めるならコレ!冷凍タイプ青汁のススメ
味も、決して誰にでも飲みやすいものではありませんが、野菜本来の味が気にならない、むしろ、青汁らしい青汁が飲みたいという人には、非常におすすめです。
季節や原料の状態によって甘みが増したり、苦みが強く感じられたりと、味わいが変わるのも原料そのものの風味をほぼ無加工で活かしている冷凍タイプの青汁ならではの魅力です。
せっかく青汁を飲むのなら最大限栄養が摂れるものが良い、粉末を飲んでみたけれどなんだか物足りない…そんな人は、ぜひ冷凍タイプの青汁を一度試してみてはいかがでしょうか?