青汁の原料で有名なケールの栄養とは?効果効能と合わせて紹介
青汁には数多くの栄養豊富な野菜が入っています。その中でも、よく名前を見かけるのがケールです。中には、ケールをメインにした青汁というのも少なからずありますよね。
そんな青汁の原料としてはとても有名なケールですが、日常的にはあまり見かけるものではありません。
そのまま食べたことがないのはもちろんのこと、どんな形をしているのかもよくわからないという人も多いのではないでしょうか?
そこでここでは、ケールの栄養や効能、摂取する際の注意点など、気になる情報をまとめてご紹介していきたいと思います。
意外と歴史が古い!?野菜の王様ケールの実態とは
まずは、ケールの基本的なデータを確認していきましょう。
ケールはアブラナ科アブラナ属に属しており、同じアブラナ属のキャベツやブロッコリーなどの原種に当たる野菜です。
見た目も丸くならないキャベツのような形をしています。野菜としてはかなりキャベツに近いと考えてよいでしょう。
このほかにも、葉が細かく縮れたようになったものなど、様々な品種があります。全体的に、キャベツと比べると緑色が濃くなっているのが特徴です。
日本でのケールの歴史は意外と古く、実は江戸時代にはすでに導入されていました。ただし当時は観賞用としての用途が主で、食用としての利用が始まったのは戦後になってからのことです。
気候条件さえよければ1年中栽培・収穫が可能なうえに、『野菜の王様』と称されるほど栄養豊富なケールは、戦後の食糧難の中で効率よく栄養補給できる青汁の研究が進む中で、その原料として注目されるようになったのです。
ビタミン、ミネラル、食物繊維…ケールの栄養を徹底紹介
では、野菜の王様であるケールには、どのような栄養素がどれほど含まれているのでしょうか?
ここでは、ケールの主な栄養素を、可食部100gあたりの含有量を基準に、近い種類の野菜であるキャベツと比較して見てみましょう。
成分 | ケールの含有量 | キャベツの含有量 |
---|---|---|
カリウム | 420mg | 200mg |
カルシウム | 220mg | 43mg |
マグネシウム | 44mg | 14mg |
鉄 | 0.8mg | 0.3mg |
ビタミンA(βカロテン) | 2900μg | 49μg |
ビタミンC | 81mg | 41mg |
ビタミンE(トコロフェールα) | 2.4mg | 0.1mg |
ビタミンK | 210μg | 78μg |
葉酸 | 120μg | 78μg |
食物繊維 | 3.7g | 1.8g |
出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂)
このように、ここで表記したすべての栄養素に置いてケールの含有量はキャベツを上回っています。
まさしく、『野菜の王様』の名に恥じない栄養価の高さと言ってよいでしょう。
はやりの抗酸化作用が魅力!?気になるケールの効能とは
非常に栄養豊富なケールには、様々な効能が期待できます。中でも注目してほしいのが抗酸化作用です。
呼吸によって体の中に取り込まれた酸素のうち、エネルギーとして使われなかったものは、活性酸素という強い酸化力を持った状態になります。この活性酸素はストレスやタバコなどの環境要因によって増え、身体の中をどんどん酸化させて身体機能を落としてしまうのです。
活性酸素が増えすぎると、生活習慣病などの疾患を引き起こしたり、シミ・しわなどの老化現象を促進させる原因となってしまいます。
この活性酸素による酸化を妨げ、酸化した細胞の回復を早める助けとなるのが、ビタミンA、C、Eやクロロフィルといった抗酸化作用の強い成分です。
ケールにはこれらの抗酸化作用の強い成分が多く含まれているため、生活習慣病などの重大な疾患の予防やアンチエイジングに高い効果が得られます。
全身くまなく健康に!まだまだ出てくるケールの効果
さらにケールには、抗酸化作用以外にも様々な健康効果が期待できます。
ケールの主な効能としては、以下の5つがあります。
- 骨の健康を保つ
- 脂質の吸収を抑える
- 目の疾患リスクの軽減
- 睡眠の質を高める
- 便秘予防・解消
ケールには牛乳の2倍にも上る多量のカルシウムが含まれているうえに、カルシウムが骨に取り込まれるのを助け、カルシウムが骨から流出するのを阻止するビタミンKの含有量も高くなっています。
そのため、単にカルシウムだけが多い食品を摂取するよりも、明らかに骨の健康を保つ効果は高いのです。骨粗しょう症などを予防し、丈夫な骨を維持するためには非常におすすめの野菜です。
また、ケールには脂肪が体内で吸収されるのを抑制し、体重増加を防ぐ作用があります。このことは、近年の研究により動物実験でも実証されています。
さらにケールに含まれるルテインという成分は、目を紫外線などのダメージから守る働きを持ち、『天然のサングラス』とも呼ばれています。白内障などの目の疾患のリスクを軽減する効果が得られる、貴重な成分です。
もう1つ、ケールに多く含まれる重要な成分がメラトニンです。メラトニンには、体内時計を正常に保つのを助け、寝つきを良くして睡眠の質を高めるという作用があります。
また、食物繊維による便秘予防・解消効果も忘れてはいけません。
このように、ケールの効果は全身にくまなく及び、体調を整え健康を維持するという意味では非常に強い味方となり得ます。
その栄養効果を考えれば、ぜひ積極的に食生活に取り入れるべき野菜と言ってよいでしょう。
ケールアレルギーってあり得る!?ケール摂取の注意点
ケールを摂取する際には、少しですが注意しなければならない点もあります。
ケールは基本的には他の野菜と同様で、摂取することで副作用などが出る心配はありません。
ただし一度に大量に食べすぎると、胃腸に負担がかかって下痢などを引き起こす原因にあることもあります。とはいえ、これはケールに限らず、特定の食材を短時間で過剰摂取した場合にはよくある症状です。一度に何百グラムも摂取するような、極端な食べ方をしなければ問題ありません。
ただ、ケールは冒頭で紹介した通りアブラナ科に属する野菜なので、アブラナ科のアレルギーがあると反応して症状が出てしまう可能性があります。
皮膚症状や腹痛などの異常が見られたら、すぐに医療機関を受診するようにしましょう。
健康障害のリスクあり…カリウムとビタミンKに要注意
まず気を付けてほしいのがカリウムです。
カリウムは、体内の水分量を調節して余分な塩分を体外に排出するという重要な働きをする成分です。
ただ、腎臓の機能が弱まっていて余分なカリウムを体外に排出できない状態の人がケールのようなカリウムを多く含む食品を摂りすぎると、カリウムが身体に過剰に蓄積して作用が強くなりすぎ、高カリウム血症などの疾患を引き起こすリスクが高くなってしまいます。
腎臓に疾患があったり、腎機能が落ちている人は、摂取量に注意して取り入れるようにしましょう。
もう1つ、ビタミンKも注意が必要な成分です。
ビタミンKには出血した時に血液を凝固させる作用があり、血栓症などで血液を固まりにくくする薬を服用している場合は、その効果を打ち消したり阻害してしまうことになります。
ケールを野菜として食事で少しだけ取り入れる程度であれば、基本的には問題ありませんが、青汁のような栄養成分を凝縮した形で摂取する場合は、摂取量に注意した方が良いでしょう。場合によっては、事前にかかりつけの医師に相談することをおすすめします。
生だと苦い!食べにくい!ケールの上手な取り入れ方とは
ケールに関しては、青汁の原料としてよく見かけることもあり、『苦い』というイメージを持っている人も多いのではないでしょうか?
実際、生のケールというのはかなり苦みとえぐみの強い野菜です。
これは、苦み成分であるスルフォラファンと辛み成分のイソチオシアネートが多く含まれているためです。ただ、この2つの成分には抗酸化作用もあり、決して悪いものではありません。
とはいえ、やはり生のままだと苦くて食べにくいということは事実なので、一般的にはケールは加熱して食べるものと考えてよいでしょう。
気になる疑問!ケールを加熱しても栄養は変わらない?
加熱するとなると気になるのが、生で食べるのに比べて栄養が落ちてしまうのではないか?ということですよね。
熱に弱い栄養素としては、主にビタミンB1やビタミンCが挙げられます。この2つの成分はケールにも少なからず含まれていますが、やはり加熱すると多少は減ってしまうことになります。
ただしその他のビタミン類や食物繊維、ミネラル類に関しては、熱に比較的強く、加熱によって成分が変質するということはほとんどありません。
加熱によって苦みが和らいでカサも減り食べやすくなることを考えると、ケールに関しては、多少の栄養価は犠牲になっても、生食よりも加熱した方が栄養の摂取効率が良いことは間違いないでしょう。
ゆでておひたしにしたり、油で揚げてチップスのようにして食べると、甘みが出てかなり食べやすくなります。
手軽にケールを取り入れたい!それなら青汁がオススメ
ケールを野菜として食事に取り入れてみたいと思っても、なかなか近所のスーパーなどでは売っていませんよね。ケールは野菜としては、まだまだマイナーで入手しにくい部類に入ってしまいます。
そこでおすすめしたいのは、やはり青汁です。
ケールはもともと日本では日常的な食材としてよりも、青汁の原料として注目されてきた野菜です。市販の青汁にも、ケールを主原料としたものは数多くありますし、中にはケールのみでつくられた青汁も見つかります。
ケールを使った青汁は苦いというイメージが強いですが、最近では改良が進んで、苦みの少ないおいしく飲める青汁も出てきています。
ケールの栄養成分を手軽に効率よく取り入れられるという点では、青汁に勝るものはないと言っても過言ではありません。
野菜の王様は伊達じゃない!青汁でケールを食生活に取り入れよう
とはいえ、入手するのも難しいですし、手に入ったとしても慣れない野菜というのは扱いにくいものですよね。そんなケールを日常的に摂取するには、簡単に購入することができて手軽に飲める青汁が、やはり最適なのです。
野菜の王様ケールを、ぜひ青汁で毎日の生活の中に取り入れてみてはいかがでしょうか?