青汁に含まれるカリウムの効果とは?腎臓との関係と飲むときの注意点

青汁には様々な成分が豊富に含まれていることは皆さん十分にご存知のことかと思います。

特に有名なのは「食物繊維」や「ビタミン」ですが、それらと並んで「カリウム」の含有量も高いのが青汁の特徴のひとつとも言えるでしょう。

しかしこのカリウム、名前は聞いたことはあるけれど具体的な働きはいまいちよくわからない、という方も少なくないのではないでしょうか?

カリウムはわたしたちにとって嬉しい効果がある反面、過剰摂取は体に別の影響を与える可能性もある栄養素です。

しっかりとカリウムについて知識を持ち、より効果的に青汁を選んだり、飲むことを意識してみませんか?

健康にかかせない「カリウム」とは?その役目と働き

最初のこのトピックでは、カリウムとはどのような働きをしてくれるのか、その働きによるメリットはなんなのか?というところを取り上げていきたいと思います。

カリウムはミネラルの一種です。その中でも厚生労働省により基準摂取量が定められている「必須ミネラル」のうちの、1日の必要所要量が100mgである「必須ミネラル」に指定されています。

そんな、健康に必要なミネラル「カリウム」の基礎知識をまず学びましょう!

カリウムは体内の塩分を調整してくれる働きがある

「カリウム」は、主に「細胞内液」に9割存在し、「細胞外液」に1割存在しています。

人間の体の約60%を占めている水分のことを「体液」と言い、さらにその体液は、「細胞膜」を介して「細胞内液」と「細胞外液」に分かれます。

そして、さらに「細胞外液」は「組織間液」と「血漿」に分かれるのですが、ここまでくると専門的な話となってしまいますね。

こちらの図をご覧いただければと思いますが、カリウムはこちらの図にある細胞内液に9割、それ以外の場所に1割という割合で存在していると思ってください。

体液区分と役割

そんなカリウムですが、その働きはシンプルながらわたしたちの体にとっては欠かせないもの。

細胞外液に存在している塩分としても有名な「ナトリウム」とバランスを摂り、細胞の水分量を一定に保つ働きがあります。その際、不要なナトリウムを体外に排出する働きも持っています。

こちらの図がわかりやすいですね。

細胞内と細胞外に出入りするナトリウム(Na)とカリウム(K)

「難しい!」と思った方もいるかもしれませんが、簡単にまとめますと「体内の塩分量を調節し、血圧や体内の塩分濃度を一定に保つための働きをする」とおぼえていればいいでしょう。

カリウムによる嬉しい効果1:むくみの解消

カリウムをきちんと摂取していることで、当然ながら体にとって嬉しい効果があります。有名なのは「むくみの解消」ですね。

なぜむくみが起こるかというと、体内の老廃物がなかなか体外に排出されず残ってしまうこと、塩分のとりすぎで体内の塩分濃度が高くなり、それを一定に戻すために水分を体内に保持するため…などといった理由です。

カリウムを摂取することで不要な塩分や老廃物がが体外に排出されやすくなり、むくみを解消出来ます。

カリウムによる嬉しい効果2:高血圧や心筋梗塞の予防

さらに、塩分過多の人の場合、細胞内の水を増やすだけではなく、血管内の水分も増やさなければならないケースがあります。

血管の水分が増えるということは、血液を流すための力も強くしなければなりません。そのため、血管や心臓に負担がかかり「高血圧」となってしまうのです。高血圧は心筋梗塞などを引き起こすものなので、できるだけ避けたいですよね。

そこでカリウムです。不要な水分、塩分を排出しやすくなるので血圧が下がり、血管や心臓への負担を軽くしてくれます。

健康を維持したり、長生きしたいと思うならしっかりと摂取したほうがいい栄養素ということですね。

男性だから、女性だから摂取したほうがいい…という感じではなく、性別、年齢関係なく摂取したほうがいい栄養素という印象です。

まあ、女性はむくみが悩みになりがちだから、女性の方がカリウム摂取については敏感かもしれないな。

しかし、男性に多い「高血圧」の予防にも役立つ成分だから、男性にとっても非常に有用といえるだろう。

日本人はカリウム摂取不足とも言われているから、積極的に摂取しておきたい栄養素であることは間違いない!

カリウムが多く含まれる食材は?青汁にはどれくらい含まれる?

むくみの解消や高血圧の予防といった、女性にも男性にも嬉しい効果がある「カリウム」ですが、一体どのくらい摂取すればいいのでしょうか。

カリウムの1日の摂取目安量は、成人男性であれば「2,500mg」、女性であれば「2,000mg」となっています。

ちなみに摂取の上限量は設定されていませんので、この量を守らなければいけない(多く摂取してはいけない)ということはありません。

カリウムは必須ミネラルの中でも、比較的食事から取り入れやすい栄養素とも言われています。どのような食材に含まれているのか、青汁にはどのくらい含まれているのかを調べました。

カリウムが多い食材は「海藻類」や「野菜類」

カリウムが多い食材を食品成分データベースで調べてみたところ、このようになりました。

食品名 100g中の含有量
乾燥ずいき 10000mg
刻み昆布 8200mg
乾燥ひじき 6400mg
インスタントコーヒー 3600mg
ドライトマト 3200mg
玉露 2800mg
ドライマンゴー 1100mg
パセリ 1000mg
生ほうれん草 690mg
アボカド 720mg

出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

一部を抜粋したものですが、海藻類に非常に多く含まれています。野菜や果実類にも含まれている量は多めですが、海藻が圧倒的ですね。意外なところはインスタントコーヒーでしょうか。

さすがに乾燥したひじきを100g食べる、なんてことは出来ませんが、意識して海藻や野菜類を摂取することでカリウムを効率的に摂取することが出来ることがおわかりいただけるかと思います。

青汁の原料となる野菜にもカリウムは豊富に含まれている

それでは、青汁の原料となる野菜に含まれるカリウム量はどのくらいなのでしょうか?こちらも食品成分データベースにて調べてみました。

ケール(生) ケール(青汁) 明日葉(生)
420mg 2300mg 540mg

出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

この2種類しかなかったのでちょっと少なめのデータではありますが、ケールと明日葉、どちらも生であってもそこそこの含有量があります。

しかし注目したいのが青汁になった際のカリウム量。100gで2300mgと、1日の目安量をクリア出来ていることがわかりますね!

「青汁にはカリウムが豊富」という言葉を裏付けているデータと言えるのではないでしょうか。

カリウムを摂取したほうがいいのはどんな人?

バランスがよい食事を心がけていれば、大きく不足することはないカリウムですが、それでもこの現代にはカリウムを意識して摂取したほうがいい人もいます。

具体的には

  • 普段の食事のバランスが悪い人
  • ダイエットなどで食事量を減らしている人
  • むくみがちな人

食事のバランスが悪い、例えばあぶらっこいものや塩分が強いものを好んで食べていると、どうしても血中の塩分濃度が高くなってしまいますので、カリウムを積極的に摂取したほうがいいでしょう。

また、ダイエット等で食事を減らしている、食べないという人も野菜不足になりがちなのでカリウムを摂取しにくい環境にあります。

最後のむくみがちな方は、むくみの原因そのものは単純に座っている時間が長い、筋力の低下など様々な原因がありますが、カリウムを摂取することで余分な水分を排出しやすくなりますので、有効な手段かと思われます。

普段の食生活でも意識すればそこそこ摂取出来る栄養素みたいですね。

そういえば、ビタミンKとカリウムは同じとか同じじゃないとか聞いたことあるんですが、事実はどうなんでしょうか?

「K」がカリウムのKだから…と混同している人も多いようだが、全く違うものだ。

ビタミンKは止血作用や、骨を強くするといった効果があり、カリウムと働きは違うものになっている。

それにカリウムはミネラルのひとつでビタミンではないから、そもそもから違うな。

カリウムを摂取していればビタミンKを摂取しなくてもOK、またはその逆もありえないから気をつけるんだぞ!

摂りすぎ注意!?カリウム過剰摂取は健康に影響がある

わたしたちの体内の水分バランスを整えてくれる必須ミネラル「カリウム」ですが、実は摂取すればするほどいい!というわけではありません。

悲しいことに、カリウムを摂取しすぎる「過剰摂取」は、わたしたちの体に対して、逆に悪い影響を与えることがあるんです。

摂取しすぎると腎臓の機能に障害が出る

基本的に、カリウムは過剰に摂取した分は腎臓にて分解され、尿として排出されますので問題はありません。

ですが、過剰摂取をし続ける、非常に沢山のカリウムを一度に摂取するなどで腎臓の分解能力を超えてしまった場合、血中のカリウム濃度が増えてしまうことがあります。

そうなると

  • 急性・慢性腎不全
  • 腎機能の低下
  • 不整脈

といった異常が出てしまうこともあります。

もっと軽いものであれば

  • 体がだるい(脱力感)
  • 手足が軽くしびれる
  • 嘔吐感がある
  • ゲップが出る
  • 熱っぽく感じる

などの症状があらわれることもあります。

急激に血中のカリウム濃度が上がる「高カリウム血症」のおそれも

さらに、急激に血中のカリウム濃度が上がることで「高カリウム血症」を引き起こしてしまうことがあります。

高カリウム血症は筋肉能力の低下などの様々な症状を呼び起こすだけでなく、最悪心停止を起こしてしまう可能性がある非常に恐ろしい症状です。

もともと腎機能が正常であるのならば急に高カリウム血症になる可能性は低いと言えますが、過剰摂取しすぎるとこうなることもある、ということは知識として持っておくべきでしょう。

人工透析を受けている人はカリウム摂取量に制限がある

人工透析を受けている方や、腎機能が弱い方はカリウムを分解する能力が腎機能が正常な方に比べても低いため、少ない量のカリウムでも摂取することで副作用のような症状が出たり、高カリウム血症になるおそれがあります。

そのため、カリウムの摂取量を控えなければなりません。

青汁を野菜不足だから飲みたい、と考える方もいるかもしれませんが、腎機能に何かしら問題があるとお医者さんに判断されているのであれば、青汁を勝手に飲むようなことはせず、必ず担当医に相談してからにしましょう。

体にとっていい成分ではあっても、摂取しすぎは逆に体に悪影響を及ぼしてしまうんですね…。

カリウムを摂取しすぎたときの症状があらわれたときは、「もしかしたら?」と疑ってみることもアリかもしれませんね。

普段からしっかり意識して野菜を食べたり、海藻類を多く食べていると、青汁のカリウムがプラスされて、少々摂取量が多くなることもあるだろう。

とはいえ、多少多く摂取したくらいで大きな影響が出るわけではないから、そんなに怖がる必要はないぞ。

現代の日本人はそもそもカリウム摂取不足と言われているし、アメリカで定められている摂取上限も15000mgと基準値の7倍以上だ。

長期間これくらい摂取していたら何かしらの影響は出るかもしれないが、1日、2日くらいであれば気にしなくていいだろう。

青汁を飲みたい!けどカリウム量が心配な時はどうする?

青汁を飲みたいけど、カリウムの量が多すぎるとちょっと不安…、できるだけカリウム量の少ない青汁を飲みたい!という方もいるかもしれません。

そんな時は青汁の「成分表」を見て、1杯におけるカリウム量が少ない青汁を選ぶしかありません。

カリウム量の少ない青汁は存在するの?

もともと、青汁の原料の野菜が「カリウムが豊富」なものばかりであることから、「カリウム含有量が少ない」ことをウリとした青汁は見つけることが出来ませんでした。

いくつかの青汁商品に含まれるカリウム量を抜き出し、表にしたのがこちらです。

商品名 カリウム含有量
ファンケル 本搾り青汁 ベーシック 46~141mg
ファンケル 本搾り青汁 プレミアム 161~445mg
ヤクルト 私の青汁 269mg
キューサイ 畑の青汁 101mg
健康道場 粉末青汁 250mg
フジワラの有機青汁 粉末タイプ 3.14g
井藤漢方 メタプロ青汁 38.5mg

ご覧の通り、商品によって含まれているカリウム量にはかなり差があることがわかりますね。

今回の表に記載している商品の中では「井藤漢方 メタプロ青汁」が38.5mgと1杯の含有量が一番少なくなっています。

探せばもっと少ないカリウム含有量の青汁があるかもしれませんが、こちらの商品でも他の青汁の3~10分の1の含有量なので、カリウム少なめの青汁を飲みたいのであれば、候補にしてみてはいかがでしょうか。

わたしが飲むときは、カリウムが少ないものを飲んだほうがいいのかな~?
確かに、成人女性と子供だったら必要摂取量が違いますから…あまりカリウムが豊富な青汁を飲ませると体に悪影響が出ないか、って心配になっちゃいます…。

そのあたりはどうすればいいんでしょうか?

普段の食生活でどのくらいカリウムを摂取しているか、加工食品が多いかによっても変わるが、心配なら1日の青汁の量を減らしてみてはどうだろうか?

例えば成人の量の半分にするだけでもだいぶカリウム摂取量は減るはずだ。

量などが調整されたこども向けの青汁も出ているから、心配ならそういった商品試してみてもいいと思うぞ!

青汁は豊富なカリウムがウリ!ただし腎機能が弱い人は注意を

青汁はそもそもの原料が「カリウムが豊富な野菜(植物)」なため、カリウム不足を感じていたり、きちんとカリウムを摂取したいという方には非常にオススメだと言えるでしょう。

その反面、腎臓の機能が弱い方がカリウムが豊富な青汁を飲み続けると、腎機能に異常が出たり、高カリウム血症になってしまうおそれがあるのも確かです。

腎機能に不安がある方は、まずはきちんと病院で検査等を受け、医師に相談した上で青汁を飲むようにしましょう(もちろん止められる可能性も十分にあります)。

特別腎機能に異常がない方であれば、青汁を飲むことで急に高カリウム血症になる可能性は非常に低いため、心配する必要はありません。

青汁はカリウムを始め多くのミネラルとビタミンを摂取出来る、栄養の補助食品としてとても優秀なものです。

今回はカリウムについてでしたが、他の栄養素についてもしっかりと知識を持つことで、より効果的に青汁を飲むことが出来るようになるのではないでしょうか。

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