肝臓や腎臓の悪い人が青汁を飲んではいけない理由

青汁と言えば、健康の維持や栄養不足を補うのにピッタリな健康食品の代表として、愛飲している方も多いと思います。

薬ではないので副作用の心配もなく安全。お子さんに飲んでもらうのも悪くない選択肢ですよね。

しかし、だからといって青汁は「誰でも飲んでいい」ものではありません。

実は、「青汁を飲んではいけない・飲まない方がいい人」もいるんです。

それは、腎臓や肝臓が弱かったり、悪い人。

一見青汁と大きな関連性があるようには感じられませんが、どうして腎臓や肝臓が悪い人は青汁を飲むことは出来ないのでしょうか。

それは、青汁に含まれている栄養素にあったんです。

なぜ、腎臓や肝臓が悪い人は青汁はダメと言われるの?

どうして腎臓や肝臓が悪い人は、青汁を飲んではダメと言われるのでしょうか。

その理由は、青汁に含まれる特定の「栄養素」が理由です。

具体的には、青汁には「カリウム」と「鉄分」が豊富に含まれているためなんです。

「カリウム」は体内の余分な塩分を排出してくれる栄養素

「カリウム」は、よく「ナトリウム」とセットで語られますが、それもそのはず。

カリウムは、体内の余分なナトリウム(塩分)を体外に排出する役割を持っています。

人間の体は、体内の塩分濃度を一定に保とうとしますが、血中の塩分濃度が高いと薄めようとするため、水分を細胞ないに溜め込んでしまいます。これがいわゆる「むくみ」の原因となります。

カリウムはナトリウムに働きかけ、体の外への排出を促してくれるため、きちんと摂取していれば体内に水分が余分に溜まることがありません。つまり、「むくみ解消効果」を持っている成分と言えます。

加えて、カリウムには「高血圧の予防」効果もあります。これはむくみが出来る時と似ているのですが、体内の塩分濃度を一定に保つために体内の水分が増加すると、血液が薄まります。

薄まった血液は当然ながらその分量が増えますから、増えた分は強い力で血液を送り出さなければなりません。そのため、心臓がより強い力を使わなければなりませんし、血管は強い刺激によりいたみやすくなり、「高血圧」になってしまいます。

カリウムが余分な塩分と水分を排出することで、血液の濃度も正常になり、強い力で血液を送る必要もなくなるため、高血圧になりづらくなるのです。

他にも筋肉を正常に保つ効果もあり、普段から塩分が多い食事をすることが多い方や、野菜をあまり食べないという方はカリウム不足の可能性がありますので、積極的に摂取していきたい栄養素と言えます。

「鉄分」は女性に不足しがちな、摂取しづらい栄養素

「鉄分」は、ヘモグロビン(赤血球中の血色素)を構成する成分のひとつで、体全体に酸素を運ぶために必要な、非常に重要な役割を持つ栄養素です。

体内の鉄分の70%は血液中に存在し酸素を運ぶ役割をする「機能鉄」として存在し、残りの30%は鉄分が不足した際に補うため、肝臓や脾臓に蓄えられておく「貯蔵鉄」となります。

鉄分は酸素を運ぶだけでなく、血液中の酸素を筋肉に取り込むという働きもあります。

鉄分が少なくなると酸素があまり運ばれなくなり、細胞が代謝できなくなります。そのため「だるい、風邪をひきやすい」という免疫力の低下になったり、貧血が起きたりするんですね。

貧血に悩む女性は少なくありませんが、それは体内の鉄分が不足している可能性が高いです。

鉄分をしっかりと摂取することで貧血の予防が出来るだけでなく、疲労回復効果もあります。

主にこの2つの栄養素が、機能が弱い人や病気の人には負担に

他にも青汁には沢山の栄養素が含まれていますが、この2つはカリウムであれば腎臓と肝臓、鉄分であれば肝臓の機能が弱い方の場合、完全に濾過されなかったり、体内に残ってしまうなどの理由で体への負担となってしまいます。

そのため、これらの機能が弱い方にとっては青汁はNGな食品となってしまうんですね。

自分では気づいていなくても、機能が弱かった、何かしらの異常があったという場合、青汁を飲むことで症状が現れることもあります。

どちらも生きていくためには欠かせない栄養素ですね。

確かに鉄分は摂りすぎはよくない、と聞いたことはありますが、カリウムもだめなんですね。

肝機能・腎機能が不安という人は避けたほうがいいということですか…。

栄養が沢山含まれているのはいいんだが、その分負担になってしまうこともある、ということだ…。

それほどまでに青汁には豊富な栄養素が含まれている、とも言えるがな。

青汁がNGな病気や、機能が弱い場合に起こり得る病気とは?

青汁に含まれている「カリウム」や「鉄分」は、臓器の機能が弱まっている方や、特定の病気を患っている方にとっては栄養ではなく「毒」となってしまいます。

このトピックでは、具体的にどのような症状・病気の方は青汁を飲んではいけないのか、という点をしっかりと解説していきます。

腎機能が弱い人が青汁を飲み続けると「高カリウム血症」のおそれ

本来、正常な腎臓を持っていればカリウムを多少多く摂取してしまったとしても体外に排出されるため問題ありません。

しかし、腎機能が低下している人の場合、カリウムを多く摂取すると、大概に排出しきることが出来ず、体内に留まってしまうことがあります。

本来排出されるはずのカリウムが体内にとどまり続けることで血液中のカリウム濃度が高くなってしまい、「高カリウム血症」という症状が出てしまうことがあるんです。

あらわれる症状は

  • 吐き気・嘔吐
  • 手足のしびれ
  • 知覚過敏
  • 脱力感
  • 不整脈

などで、不整脈の症状が進行すると最悪心停止の危険がありますので放置していていいものではありません。

体内の栄養素を分解・貯蔵する腎臓や肝臓の機能が低下している場合は高カリウム血症の症状が出る可能性があります。

知らない間に機能低下、あるいは異常が起きていた場合は突然症状が出ることもあります。

緊急性が高ければ透析を行う必要が出てきますが、緊急性が低い場合は薬物療法で治療することが可能ですので、青汁を飲んでいて「なんかおかしいな?」と思う症状が出た際は一度病院に行くことをおすすめします。

「人工透析」を受けている人も青汁を飲むのはNG

腎不全により、「人工透析」を受けている方は、そもそもカリウムを摂取することを控えるようにと医師に言われているはずです。

当然ながら腎臓の機能が不全なのですから、青汁を飲んでしまったら高カリウム血症を引き起こすおそれが高いと言えるでしょう。

そのため、「健康のために青汁を飲みたい」と思っていても、医師からは必ず止められるはずです。

青汁ではなく、他のカリウムが含まれていない(あるいは含有量が少ない)野菜から栄養を取り入れるべきです。

「C型慢性肝炎」の人は青汁に含まれる鉄分がNGに

鉄分は生きていくために必要な栄養分ですが、鉄分は過剰摂取することで、最初は

  • 吐き気・嘔吐
  • 下痢

といった軽いショック症状が出るだけ(それでも辛いですね…)ですが、体内に鉄分が溜まり続けると

  • 肝硬変
  • 心筋症
  • 脂肪肝

などの重い症状が出てくることがあります。

C型慢性肝炎の方は、人よりも「貯蔵鉄」、つまり肝臓に鉄分が留まりやすい体質となってしまっていますので、1日の摂取鉄分は「6mg」まで、と制限がかけられているはずです。

そのため、鉄分が多い青汁を飲んでしまうと1日の制限量を超えてしまうことがあり、肝臓に負担をかけてしまうんですね。

肝臓に負担がかかると肝硬変などになる確率も上がるため、青汁を控えたほうがいいでしょう。

ただ、中にはC型慢性肝炎であっても鉄分摂取に制限がないケースもあり、すべての患者さんが鉄分制限の対象となるわけではありません。

医師の指導・相談の元摂取するかどうかを判断してください。

腎臓や肝臓の機能が弱くなっていると、青汁を飲んでいるだけで様々な弊害が出てしまうんですね。

お医者さんに指導を受けていれば飲まない方がいいと判断出来ますが、知らない間に機能が低下していた、となると怖いですね…。

自分で判断も出来ませんし、どうすればいいんでしょう?

青汁を1杯飲んだからといって、すぐにそのような症状が出ることは少ない。

毎日飲んでいて「おかしいな?」と思うことが続いたら要注意だな。

当然ながら、1日1杯と決められているのに3杯4杯飲むといったことは避けるようにするんだぞ!

青汁だけではない、カリウムが多く含まれる食材とは?

青汁にはカリウムや鉄分が多く入っているため、腎臓や肝臓の機能が弱い方は飲むことは出来ません。

しかし、青汁さえ飲まなければOK…というわけでもないのが難しいところなんです。

なぜなら、カリウムが多く含まれている食材は青汁だけではないからです。とはいえ、どのような食品にどのくらいカリウムが含まれているのか、よくしらない、という方も多いのではないでしょうか。

そこでこのトピックでは、青汁をはじめ、カリウムを多く含む食材にフォーカスをあててみましょう。

一般的な青汁のカリウム量はとても豊富

青汁の原料である植物は様々ですが、主に以下の3種類がメイン、もしくは複数を使用しているものが多いです。

  • ケール
  • 明日葉
  • 大麦若葉

最近では「クマザサ」や「藍」なんかもも原料として使われています。

原料によって差はあれど、いずれも含まれるカリウム量はとても多く、特にカリウムが多めに含まれている青汁をいくつかピックアップしてみました。

商品名 カリウム含有量
サンスター 健康道場 粉末青汁 250mg
ファンケル 本搾り青汁 プレミアム 161~445mg
ヤクルト 私の青汁 269mg

日本人の1日の摂取目安量は男性2500mg、女性2000mgです(17歳~70歳)。

青汁1杯でそこまで摂取カリウム量が増える…というわけではありませんが、カリウムは様々な食品に含まれているため、食事のみで十分に摂取できていることも少なくありません。

海藻類や野菜類にも多くのカリウムが入っている

実際、「海藻類」「野菜類」「イモ類」など様々な食品にカリウムが含まれています。

もちろん含有量に差はありますが、例えば海藻類であればひじきなどは1食分で200mgを超えますし、のりやとろろ昆布などにも多めに含まれています。

野菜やくだもの類にも豊富に含まれており、ゆでた百合根は1食分で400mgを超えます。ほうれん草もカリウムが多い野菜として有名ですね。

バナナも1本で400mg程度のカリウムを摂取できますし、女性に人気のアボカドは1個で1100mgを超えるなど、かなりの量になります。

豆類・ナッツ類もカリウムが多く含まれている食材で、納豆1パックで300mg程度のカリウムが、ゆでた栗には1個で70mg程度のカリウムが含有されています。

こう見ると、毎日食べている食材のほとんどになにかしらカリウムは含まれているといっても過言ではないでしょう。

ちなみに、腎不全等でカリウム制限をしている人の場合、1日の摂取目安量はだいたい「1500mg」となります。普段の食事から気をつけていないと、青汁を飲んだら確実にカリウム摂取量が多くなってしまうことがわかりますね。

逆に、カリウム含有量が少ない青汁はあるの?

先程の表を見ていただいたら、青汁は手軽にカリウムを摂取出来ることはおわかりいただけたかと思います。

が、青汁のほかの栄養素…具体的には食物繊維やビタミンを摂取したい!けれどカリウムは摂りたくない!という場合「カリウムの少ない青汁を飲めばいいのでは?」と思うかもしれません。

最近では、カリウム含有量が少ない「低カリウム野菜」が開発され、市場にも出てきていますが、残念ながら青汁の材料となるケールや大麦若葉の低カリウムバージョン、というものは出てきていません。

そのため、「カリウムが入っていない青汁」は存在しないと言え、その上であえて飲むのであれば、カリウム含有量が少ない青汁を選ぶくらいしか対策法がないと言えます。

商品によりますが、1杯のカリウム含有量が40mg前後の青汁がありますので、箱などの成分表をみてチェックしてみるといいでしょう。

普段わたしたちが口にしている食べ物と比べて、青汁は特別カリウム含有量が高い、というわけではなさそうですね。

それでも100mlくらいの水で溶くだけでこれだけの栄養素を得られるというのはすごいですが…。

海藻類は特にカリウム含有量が多いからな。

正常であればカリウムは摂取しても余分は排出されるから、気にしなくても大丈夫だぞ。

青汁を飲み続けると腎臓や肝臓が悪くなる可能性はあるの?

ここまでお読みいただき、「もしかしたら青汁を飲むと腎臓や肝臓が悪くなってしまうのでは?」と不安になった方もいるかもしれません。

当然ながらそのようなことはありません。が、でも心配!という方のために、その理由をご説明します。

正常に機能していれば逆に「免疫や機能を向上」させる

青汁に含まれる豊富なミネラルや鉄分、ビタミンなどは、肝機能自体は正常であれば(肝炎などにかかっていなければ)むしろ「肝機能の向上」という効果があります。

腎臓についても同様で、余分なナトリウムを排出してくれるので高血圧の予防や腎臓の病気を予防する効果があります。

どちらも過剰摂取はNGですが、そうでない場合は青汁を飲むことで体の調子を整えてくれる効果があると言えるでしょう。

さらに食物繊維による便通の改善など青汁は健康の維持に非常に高い効果を持っていますし、ビタミンで肌をキレイにしたり、オリゴ糖入りであれば腸内環境の改善も期待できます。

むしろ「医師に止められていないならば飲んだほうがいい!」とまで言えるのが青汁なんです。

飲むことで肝機能や腎機能、及びほかの機能が低下することはありませんので、安心して飲んでOKです。

ただし、病院で何かしらの薬を処方されているなど「自分は飲んで大丈夫なのかな」と思うのであれば、医師に相談することをおすすめします。

可能性はかなり低いが、「薬物性肝障害」が起こることはある

健康であれば青汁を飲むことは全く問題はありません。が!…絶対に何も起こらない、とも言えません。

といいますのも、平成29年に国民生活センターから「健康食品の摂取により薬物性肝障害を発症することがある」という旨の発表がなされたからです。

青汁やサプリメントなど健康食品を摂取した際、何かしらの原因で急性の肝障害になってしまったという事象があり、国民生活センターは健康食品を摂取した際

  • 倦怠感・食欲不振
  • 発熱
  • 黄疸
  • 発疹・かゆみ
  • 吐き気・嘔吐

といった症状が出て、さらにそれが持続した場合は薬物性肝障害の可能性があるため、すみやかに病院で受診することを勧めています。

発症するかどうかは個人の体質によるところが大きく、年齢や性別を問わず発症する可能性があるとしています。

2014年から2017年7月までに医師から国民生活センターに寄せられた事故情報の中で、健康食品が原因の薬物性肝障害とみられるものは9件(179件中)です。

可能性は低いと言えますが、青汁を飲んで気分が悪くなったら一度摂取をやめ、続くようでしたら病院に行きましょう。

青汁をのんで病気になったらやだ!怖いよ~!やだやだ!飲みたくない!
そんなこと言わないで…。青汁を飲んだからって肝機能や腎機能が何か悪くなってしまう、なんてことはないんですよね?
当然だ!青汁は健康を維持するための栄養が沢山はいったものだ。

もともと肝機能や腎機能に障害があったり、機能が低下していた場合は過剰摂取になってしまうため悪影響が出ることもあるだろう。

しかし、機能自体が正常であればどちらの効果も高めてくれるという嬉しい効果があるのも青汁なのだ!

青汁を飲んだことで機能低下に気づいた人もいるかもしれないが、決して青汁を飲んだから悪くなったわけではないぞ!

青汁は健康にいいもの。ただし肝臓や腎臓が弱い方はNG!

青汁は栄養素が偏りがち、不足しがちな現代人にとっては手軽に不足する栄養を補給出来る健康食品です。

しかし、栄養が豊富だからこそ、体の機能が上手く働かない方にとっては大きな負担となってしまうのも確かなことです。

人工透析を受けている方や腎臓機能が弱い方は、青汁に含まれるカリウムが体内に溜まってしまうため飲んではいけませんし、C型慢性肝炎のような、鉄分を体内に貯めやすくなってしまう方も青汁は避けるべきものです。

それ以外の病気等で通院している、お薬をもらっているという方も心配であれば、担当の医師に相談してみるといいでしょう。

基本的に、青汁はわたしたちの健康を支えてくれるものです。「もしかして…」と想像すると飲むのが怖い、と思う方もいるかもしれませんが、それはお酒などでも同じこと。

手軽に沢山の栄養素を得ることが出来るので、まだ飲んだことがないという方は、一度青汁を飲んでみてはいかがでしょうか。

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